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最高裁判所第三小法廷 昭和23年(れ)707号 判決 1948年11月02日

主文

本件上告を棄却する。

理由

辯護人平山国弘の上告趣意は、憲法第三二條に關する主張を撤回した外末尾添付の書面記載のごとくであって、これに對する當裁判所の判斷は次のとおりである。

上告趣意第三點について。

原判決はその擧示する證據を綜合して、被告人が原判示家屋の押入内壁紙にマッチで放火したため火は天井に燃え移り右家屋の天井板約一尺四方を燒燬した事実を認定しているのであるから、右の事実自體によって、火勢は放火の媒介物を離れて家屋が獨立燃燒する程度に達したことが認められるので、原判示の事実は放火既遂罪を構成する事実を充たしたものというべきである。されば、原判決が右の事実に對し刑法第一〇八條を適用して放火既遂罪として處斷したのは相當であって、原判決には所論のような違法はなく論旨は理由がない。(その他の判決理由は省略する。)

よって、刑事訴訟法第四四六條により主文のとおり判決する。

以上は裁判官全員の一致した意見である。

(裁判長裁判官 長谷川太一郎 裁判官 井上登 裁判官 島 保 裁判官 河村又介)

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